私がタイ・バンコク現地で感じた「びっくりしたエピソード」6選 Part2

微笑みの国・タイ王国の首都バンコクは多くの旅行者が訪れる人気観光都市ですが、実際に住んでみると、旅行ではわからなかったタイ独自の習慣や考え方の違いに驚くことがたくさん。

転勤などで急にタイ社会に入ることになった人達からは、日本との大きなギャップに戸惑う声も多く聞かれます。私が実際にタイ生活で感じた 「びっくりしたエピソード」を紹介します。

タイ・バンコクの写真

皆さん、サワディーカー。学生時代に旅行で訪れたタイに魅せられ、その後、徐々にバンコクに拠点を移し約10年。今では気候、食事、風習も含めてタイ生活に馴染んでいますが、当初は驚きや想像外の出来事の連続で、とても刺激的な毎日でした。そんな初心を思い出し、バンコクで感じた「ビックリ」をお伝えします。

1.就業中でもお構いなし。いつもお菓子が手放せない

タイ語の「お腹すいてない?(ヒウ・マイ?)」は、あいさつのように頻繁に交わされる言葉。タイ人の一食の量はとても少なく、すぐにお腹がすくため、食事以外にもお菓子、果物、軽食を一日に何度も食べます。

就業中でも、常に机の上にお菓子があるのが一般的。まれにデスク周りへのお菓子の持ち込みを禁止する日系企業も一部ありますが、現地社員と打ち解けるために積極的にお菓子の差し入れをするという日本人駐在員の方も多いです。

ちなみに「お腹すいた!」と言うと、決まって心優しいタイ人が食べ物を持ってきてくれることになるので、本当にお腹が空いているときだけ言うようにご注意くださいね!

タイの屋台の写真
▲ランチの後は、フルーツやスナック、甘いコーヒーをオフィスに買って帰るのが定番

2.身だしなみは重要! 厳格なドレスコードで入場できないことも

格の高い寺院や、高級ホテルのバー、ナイトクラブなど、不適切な服装だと入場できないことがしばしば。お寺に参拝する際には、肌の露出の少ない格好で出かけましょう。

ドレスコードがスマートカジュアルとなっている店では、「マイペンライ(問題ない、大丈夫)」が通じないことも多く、男女共に短パンやスニーカー、スポーティーなサンダルはNGです。また、日常でも身だしなみや持ち物で人柄やステータスを判断されるお国柄。

ラフすぎる格好は敬遠され、多くの人がTシャツやデニムにまでアイロンをかけるなど、常に清潔感のある服装を心がけています。

タイのお店の写真
▲いざという時は近所の露店やお店に駆け込んで服装をTPOに合わせれば大丈夫

3.歯の矯正はタイ人のチャームポイント

白い歯と美しい歯並びは、タイの身だしなみの一つ。歯並びが悪い場合、学生などの若いうちに歯列矯正で直してしまうことが多いです。 矯正をすること自体がファッションとして捉えられている面もあり、カラフルなブラケット強制具を装着する人も。

モデルやアイドルも矯正器具を付けた歯を見せながら、笑顔で写真に写ります。過去には、矯正効果のない飾りの器具を付ける安価な「ファッション矯正」が流行りましたが、無許可の医療行為にあたり、健康被害が出たために問題になりました。

タイの歯科クリーニングの写真
▲街中では歯科矯正の看板もよく見かけます

4.わずかな距離でも歩かずに、乗り物で移動する

数100メートルほどの距離でも、強烈な暑さで汗をかくのはもちろん、排気ガス、水が溜まったタイル(間違って踏めば靴が汚れる)、屋台に占拠された歩道、 揚げ物や炭火焼きの煙と臭いが服に付くなど、タイ人にとっては歩きたくない理由が山ほど。

タクシーやバイクタクシーの価格も安いため、駅から離れた場所に行く時など、最初から乗り物で移動する方が便利な事も。また、凸凹の道を歩いていると、すぐに靴が痛みます。

タイの大通りの写真
▲手頃な値段の交通手段が豊富なこともあり、現地の人々はあまり歩かない?

5.仏教への信仰心の深さ

国民の90%以上が仏教徒と言われるタイ。バンコクに住んでいても、仏教への信仰深さを感じる場面に日常的に遭遇します。一般家庭ではお祈り部屋や仏像を置くコーナーを作ることが多く、誕生日などの節目や物事がうまく行かないときには僧侶にお経を唱えてもらいます。

男性は一生に一度は出家することが良いとされているため、ほとんどの会社で僧侶になるための休暇が認められているほか、仏教専門TVチャンネルがあったり、人気の高僧のブロマイド写真が販売されていたりします。また同時に、徳を積む行為(タンブン)をして、宝くじの高額当選を狙う人が多いことにも驚かされます……。

早朝に托鉢をする僧侶の写真
▲早朝に托鉢をする僧侶に食べ物やお金をお布施し、お経を唱えてもらいます

6.お寺で入れる伝統的なタトゥーがある

街中ではタトゥーをしている人をよく見かけますが、その多くはサクヤンと呼ばれる伝統的なもの。お札に書かれていそうな幾何学模様や虎やクロコダイルといった動物柄が一般的です。アユタヤ時代、戦場に向かう兵士にこの刺青を入れると魔除けの効果で身を守ることができたとの言い伝えかが今でも信じられています。

タトゥーにはお守りのような意味があり、お寺で僧侶やアチャーンと呼ばれる職の人が墨を入れます。また、ファッションのタトゥーも、若い世代ではポピュラーです(衛生的でない場合が多いのでタイで挑戦する方は要注意)。

タトゥーを入れたタイの僧侶の写真
▲背中や腕いっぱいにタトゥー(サクヤン)を入れている僧侶も

ほかにも、時間や仕事に対する感覚が日本とは大きく異なるため、日本の感覚だと物事がうまく進まないことがよくありますが、タイ人の優しさとおおらかさ、そしていざという時の底力に助けられることもたくさん。

また、子供や子育てをする親に優しいのもタイ社会の特徴です。ぜひ皆さんも日本とタイのギャップに驚きながら、タイの魅力を味わってみてください。

このデータを調査した人
サカモトヨウコさん・タイ特派員サムネイル
写真を学んだ後、関西の制作会社でカメラマンとして勤務。現在はバンコクに拠点を移し、主に日本のビジネス誌や現地メディア向けに、東南アジア各地で取材・撮影を行う。音楽とお茶と山を好み、旅先ではアートギャラリー巡りと猫の撮影を欠かさない。地球の歩き方 バンコクWeb特派員として、バンコクのエネルギッシュな若者文化を伝えるべく、webサイトなどに寄稿中。

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