<海外転職経験者のリアル体験談>

海外転職からのキャリアの作り方 ◆vol.02

海外転職を経験したお二人に、現地での経験や帰国後のキャリアについて語っていただく対談企画。
「vol.02」ではいよいよ核心に迫り、海外現地で培えた経験やスキル、帰国に向けた転職活動、帰国後に海外勤務経験をどう生かし、キャリアにつなげているのかを語っていただきました。

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Sさんの紹介画像

Sさん/34歳/現在の仕事:海外転職アドバイザー

大手人材サービス企業の中国法人に4年間勤務し、リーダーとして求人広告営業を推進。帰国後、海外で働きたい求職者の転職をサポートする。

Oさんの紹介画像

Oさん/28歳/現在の仕事:インバウンドメディアの運営

ベトナムの日本人向けニュースメディアにて広告営業を担当し、営業マネージャー、取締役に昇格。帰国後、訪日観光客の集客に力を注ぐ。

20代で大手企業の上層部ともビジネス

――まず、日本と海外ではビジネス習慣に違いはありましたか?

【O さん】私が勤務していた日本人向けニュースメディアは競合がほぼない状態で、広告営業として契約は取りやすかったのですが、問題は契約を取ってから。広告を企画し、広告枠を用意した後になって、クライアントの担当者が平気で契約を破ることを言い出し、広告費の回収に苦心することが多かったんです。

よくよく聞くと、ベトナムでは「支払わない美学」があるらしく、あの手この手で支払わないようにすることが高評価につながるそうなんです。だから、契約を取ってからも気を抜けず……。タフな交渉に鍛えられましたね。

【S さん】中国の現地企業にもその傾向がありました。私は求人広告を扱っていましたが、採用につながらなかったら広告費の支払いをごねて、未払いになってしまうケースもありました。ただ、私のクライアントは大手日系企業が多く、トラブルは少なかったです。

私が日本人ということもあって、日系企業を新規に訪問した際にも、日本人の決裁者が応じてくれて、その場で契約に至ることも多々ありました。日本企業向けの営業では、日本人だというアドバンテージが大きいことは間違いないですね。

Sさんの後ろ姿の画像

――海外勤務を通じて得られたことは何ですか?

【S さん】1年目から成果をあげることができ、2年目以降は役職が付いて、営業チームのリーダーに昇格。チーム管理では現地スタッフにKPIに対する意識付けを徹底していきました。現地スタッフは個々のスタイルで自由に営業を進めたいという思いが強く、KPIの導入に対してことあるごとに「何でそんなことをするの?」と、最初は反発も受けました。

それに対して丁寧に、ロジカルに説明を重ね、進捗管理をすることに大変さはありましたが、ハードルが高かった分、チームがうまく機能し始め成果に結び付いたときの手応えも大きく、チームマネジメント力が磨かれた手応えがあります。

【O さん】私も早々から実績をあげることができ、日本人が少なかったこともあって、取締役兼営業マネージャーという役職に就くことができました。役職という明確な形でキャリアに箔(はく)を付けられたのは大きな収穫でした。また、ベトナムに渡って何よりも良かったのは、人脈が広がったこと。

Sさんが言うように、私の商談相手もほとんどが決裁者。大手航空会社のブランチマネージャーやさらに上層のカントリーマネージャーとも直接リレーションを築けましたし、現地の日本人会のパーティにも率先して参加することで、そうそうたる大手企業の上層部の方々と交流を深めることができました。

海外で得た強みを伝え、日本企業からすこぶる好反応

――日本への帰国を考え始めたきっかけは?

【O さん】仕事が順調に進み、生活にもすぐに馴染めて、ベトナムに来て1年半があっという間に過ぎました。ただ、そんなときに予期せぬ怪我をしてしまったんですよね。家族に心配され、仕方なく一旦は日本に戻ろうと考えました。勤務先の社長とは良好な関係を築いていたので、退職の意を伝えた際もむしろ応援してくれました。

Oさんが話している画像

【S さん】私は海外転職をするにあたって、3年間という区切りを考えていました。ただ、3年が経ったタイミングで東南アジア地区の営業リーダーを任されることになり、ならばもう1年頑張ろうと決心。中国のみならず、タイ、ベトナム、シンガポールへも営業エリアを広げ、新たに貴重な経験を培えた1年になりました。

海外勤務はトータル4年間。振り返ってみると、給与も役職も高めることができた一方、これは本当に自分の実力で得られたことだったのだろうかという疑問もあったんです。日本人というアドバンテージを外し、競合がひしめく環境で自分はどれだけやれるのかと、自分を試したい気持ちがふつふつと沸いてきたんです。

――帰国の意思を固めてから、日本企業への転職活動はどのように進めましたか?

【S さん】日本の転職サイトを活用し、人材業界やメーカーを中心に応募しました。書類審査を通過したのは、やはり中国での経験を即活かせる人材業界の企業。選考を受けたのは5~6社です。おもにスカイプ面接を受け、有給休暇を使って日本に一時帰国し面接を受けたケースもありました。いずれも反応は良かったです。

チームマネジメントの取り組み、東南アジア地区の営業リーダーとして自ら営業戦略を立て、新規マーケットの開拓を推進した実績など、異国の地に飛び込み、試行錯誤しながら4年間やり切った経験を明確にアピールできたことが奏功したのだと思います。

【O さん】私はグローバル人材を専門とする転職サイトや転職エージェントに登録し、スカイプ上で面談・面接に臨みました。私は日本で働いた経験はなく、ベトナムでのキャリアも1年半と短かったものの、各業界の大手企業を相手に営業し、実績をあげ、取締役にも昇格したという濃密な経験をアピールすることで、内定を得ることができました。

海外経験をフルに活かせる場を見つけた

――日本に帰国後、どのような仕事を手がけていますか?

【O さん】メディア企業のインバウンドビジネスに特化した事業部に加わりました。年々増え続けている訪日外国人に向けて、フリーペーパー、Web、アプリの3メディアを運営し、日本の観光や文化、ファッション、ショッピングなどの情報を発信しています。

私はメディアへの集客を高めるために、登録ユーザーに向けてダイレクトメールを企画・発信したり、海外の有力なインフルエンサーを巻き込み、口コミからメディアへの新規流入を促進するインフルエンサーマーケティングを仕掛けたりしています。

SさんとOさんが横並びの画像

【S さん】私は人材サービス企業に就職し、日本人の海外転職を支援するグローバル部門に務めています。海外転職専門の求人メディアの運営、海外現地の転職エージェントから届く求人案件の集約・精査、海外で働きたい日本人求職者のサポートが主な役割です。

――海外勤務の経験が日本でのキャリアにどう生かされていますか?

【O さん】直接的にベトナムで培った経験を生かすのはまさにこれからです。今は中国向けサービスのみですが、まもなくベトナム向けサービスを立ち上げる予定で、その中心を担っていくつもりです。私が日本での転職先に現職を選んだのも、ベトナム向けサービスを推進したいと考えていたからです。

ベトナム勤務時代には航空会社や旅行会社など観光業界の企業とも人脈を培ってきましたので、その人脈をフルに生かし、ベトナム人の日本旅行ニーズに期待を寄せる企業との提携を切り拓いていくつもりです。さらに、私がベトナムで勤めていたニュースメディアとの連携の可能性も探り、ベトナム向けビジネスを大きく広げていきたいと意気込んでいます。

【S さん】私が担当しているのはタイ、ベトナムなどアジアへの海外転職サポート。中国勤務時代には東南アジア地区の担当として両国にも頻繁に訪れ、現地日系企業の人材採用をサポートしてきました。タイ、ベトナムの求人・採用傾向やビジネス慣習にも肌で触れてきた経験は、両国の現地転職エージェントとの折衝のベースになり、両国に出張した際にもスムーズに商談を進めることができています。

SさんとOさんが話している画像

何よりも大きいのは、私の海外勤務の実体験を日本人求職者のサポートに注ぎ込めることです。海外で働くために必要な心構えや準備、選考時のアピールポイント、現地での実際の仕事や待遇、ワークスタイル、暮らしに関することまで、「海外で働きたいけど、自分に務まるだろうか」と不安を抱く求職者の皆さんにリアルな情報・アドバイスを伝え、海外転職を叶える力になっています。

これからも海外転職のメリット・デメリットを包み隠さず伝え、海外転職を心強くサポートしていきたいと思っています。

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