活躍できる営業職の共通点とは? 海外転職でスキルアップを目指そう
海外、特にベトナム・タイなどの日系企業による現地採用募集で、圧倒的に多い職種は営業です。多くの企業では特に若い営業スタッフの採用に力を入れているため、日本で営業職に就いている人にとっては、海外で自分の力を思う存分発揮するチャンスでもあります。
海外への転職希望者と現地採用を募集する日本企業をつなぐ「マイナビ転職グローバル」のキャリアアドバイザーに、海外における営業職の現状やそこで身に付く能力を聞きました。
掲載日:2018/06/29

海外でも通用する営業経験とは?
———営業を募集している企業は多いですが、日本で営業経験のない人でも応募できますか?
若い人が前提となりますが、ベトナムでは「営業経験がなくてもOK」という企業は少なくありません。多くの場合で上司は日本人ですから、社会人経験があれば、営業として育てることを前提に採用の可能性はありますよ。
——— 日本のように研修制度はありますか?
基本的には即戦力として採用しているはずですから、日本のような手厚い研修は期待できません。未経験の若手のポテンシャル採用だったとしても、上司や先輩について現場に足を運びながら仕事を覚えるのがいいところです。
——— 日本での営業経験は、海外で通用するものなのでしょうか?
営業と一言でいっても、さまざまなスタイルがあります。特に新規開拓営業分野で、自分からお客さまにアプローチし、課題やニーズを聞き出し解決するといった流れを経験してきた方は、海外でも即戦力として通用します。
日本と海外で違うのはアプローチする対象
——— 日本と海外、特にベトナムやタイなどの東南アジアの国で、営業の違いはありますか?
日本で営業というと、まず担当者など下の立場の人からアプローチをかけ、やり取りをしていきますよね。しかし海外では決裁者、つまり社長にアプローチをかけ、上から攻めていくことがほとんどです。そこが一番大きく異なる点です。日本では接することのできない立場の人たちと直接仕事ができることは、海外で仕事をする大きなアドバンテージでしょう。
——— 経営者と直接やりとりをするなんて、日本ではなかなかできない経験です。
東南アジアでは、社長、経営者以外にアプローチしても話が通ることはありません。例えば、人材紹介営業の場合、現地の人事スタッフに営業をかけて今は採用の予定はないと断られていても、日本人社長に直接営業したところ、実は採用を考えていて話が進んでいくというケースは非常に多いですね。現地採用の営業は、日本人として日本人にアプローチしニーズを掘り起こす役割というイメージです。つまり日本で仕事をする以上に、日本人としてのアイデンティティーや言葉遣い、ビジネスマナーが必要になってきます。
海外での営業経験で身に付く力とは
——— 営業経験はあるけれど、業界の経験がないという方も多いのではないでしょうか。
会社やポジションによりますが、できればその業界での経験があったほうが望ましいです。例えば最近では、タイは国自体が成熟してきているので経験者以外は採用しない傾向がありますが、若手のスタッフレベルであれば採用する会社もあります。
——— 海外に営業として転職することで、どんなスキル・能力が身に付きますか?
一つは新規開拓力です。東南アジアでは、知り合いのいない工業団地などをひとりで訪ねて、会社説明からスタートするのが当たり前といったハードな環境のなかで進めることがほとんどですから、ハードルはかなり高いでしょう。
またアプローチ方法も身に付きますね。単にアプローチといっても、業界や人によってその方法は異なってきます。決裁者レベルで役職が上位の方に対する接し方やアプローチ方法、仕事の進め方が身に付くのは、ほかではできない経験です。
もう一つ、現地スタッフと協力して仕事を進めるという意味ではコミュニケーション力も身に付くでしょう。
海外転職で手に入れる営業力
——— 海外での仕事を通して身に付いたこれらの能力・スキルは、将来日本に帰ってからの強みになるでしょうか。
営業の仕事は「量×質」、そして行動力で評価される部分もあります。そういう意味では、ハードな環境で新規開拓営業をしてきた経験があれば、日本でも活躍できるでしょう。また経営者層にアプローチしやり取りを進めてきた経験は、営業の仕事以外でも役に立つ場面があると思います。
——— 営業としてスキルアップを目指すのであれば、海外に転職するという選択肢も十分に考えられますね。
海外、特にベトナムやタイなどの東南アジアでは、日本人が少ない分苦労もありますが、活躍の場も多くなります。20代後半で拠点長になったり、20~30人の部下をもったり、マネジメント経験を積むこともできます。今後に役立つスキルアップにつながっていくことは間違いありませんから、ぜひチャレンジしていただきたいですね。