タイ転職体験談
海外は色々な意味で「経験の宝庫」。自由な職場でワーク・ライフバランスを実現
【タイで働く! インタビュー】大学を卒業後、大手企業でシステムエンジニア(SE)として活躍していたWさん。やりがいを感じていたものの仕事と生活の両立が難しくなり、転職に踏み出しました。現在はタイ・バンコクで日系企業の駐在員として勤務しているWさんに、アジア勤務を決めた経緯やタイでの仕事の仕方、海外で働く魅力などについて聞きました。
掲載日:2018/12/28
20代のうちに海外で働いてみたかった
新卒で入社したソフトウェア企業で、保守サポートをメインにシステム導入や開発などを担当していました。大手だったのでクライアントはトップ企業。プロジェクトの規模が大きくやりがいはありましたよ。ただその分多忙で、毎日遅くまで残業して会社と家との往復生活を続けるうちに、仕事の仕方、生活の在り方を問い直すようになりました。
学生時代に経験したオーストラリア留学で文化風習の違う土地で暮らす大変さと面白さを知ってから、どこかで若いうちに海外に出たいという気持ちがあったと思います。身の振り方を考えることになった時、ごく自然に海外に目が向きました。
欧米は狭き門。アジア市場に可能性見いだし
はじめはワーキングホリデーで検討していたんです。経験者に聞いたら、自分の行きたい国では就労ビザへの切り替えが難しいと分かり、キャリア形成のこともあって転職に切り替えました。英語を生かしたかったので第一希望はアメリカやオーストラリアなどの英語圏。でもさすがに欧米エリアは高倍率で厳しく、条件を変えて色々見ていくなかで「マイナビ転職 グローバル」の求人と出合いました。
アドバイザーと面談したところ、東南アジアは求人が豊富で思っていた以上に自分が活躍できる場があることが分かり、アジアも候補に入れて探しました。色んな可能性を示してくれたのが良かったですね。視野が広がって、前向きに転職活動ができたと思います。
日系システム運用会社に転職。「連携力」試される毎日
タイのバンコクで日本のシステム運用会社の駐在員として勤務しています。現地の日系企業に物流系の販売管理ソフトウェアを導入し保守サポートを行う業務を3人体制で行っています。
チームメイトは日本人の先輩社員と日本語が話せるタイ人の開発者。先輩に業務のノウハウを教わりながら、お客さまからの不具合修正や開発の要望を開発担当に指示し、対応しきれないところは日本本社に協力してもらって解決しています。保守業務は顧客の悩みに合わせてカスタマイズしていく仕事。技術や知識もそうですが、傾聴力とコミュニケーション力が問われます。
風通しのいい職場でワーク・ライフバランス改善
仕事に関して日本と違うのは意見の言いやすさ。7名の少人数で管理職がおらず、一人ひとりに裁量権があって現場から提案しやすい環境です。これはトップダウン型で1プロジェクトに30人体制もざらにあった前職では考えられなかったこと。以前より問題意識を持つようになりました。
お客さまにも意見しやすく日本のような上下関係を感じません。日本にいた時も最終的に言いたいことは言っていましたよ。でも一つ伝えるのに言葉を選ばなくてはいけなかったですし、顔色を見て何らかの策を練らないといけないというか(笑)。社内外でストレートに意見交換ができるのは大きいですね。
また、残業はあっても1、2時間で生活が乱れたりしんどくなったりすることはありません。仕事がしやすいうえにプライベートも充実し、色んな面でモチベーションが上がったのを感じます。
日本との違いを痛感。課題克服のカギは?
決まりがなく自由な分、課題の解決方法を自分で探して進めていく難しさもあります。日本では「これをやってほしい」と伝えれば、ほぼイメージどおり仕上がってくるところ、タイ人には細かく指定しないとクオリティを保てません。
業務を破綻なく進めるためにも伝え方やコミュニケーションに工夫が必要だと感じていますが、気を付けていているのは日本のやり方を押し付けないこと。例えばお客さまに資料を提供する場面。日本だと正確なうえに使い勝手や見せ方、ファイルの送り方まで気を配りますが、タイ人は「業務を処理して、次のステップに進めること」を重視します。
配慮を添えると相手に好印象を与え仕事がやりやすくなると説明したものの、その努力が大きなストレスになるようだったので、今は彼らのやり方を尊重しています。組織として上手くまわることが大切なので、さじ加減を試しながらやっていこうと思います。こうした悩みはタイに来たからこそのもの。大変ですが新鮮でもあり、やりがいを感じています。
海外転職を考えている方へ
海外転職は勢いが大切。事前にキャリアプランを立てる必要はありますが、行ってみないと分からないことが多いので覚悟を決めたら飛び込む。渡航して課題が出てきてからが勝負です。
会社の待遇なんかは策がありませんが、生活環境や人づきあいなど多くは自分が変われば解決できるもの。上手くいかないかも……と考え出したら何も始まりません。「いつかは海外転職」という気持ちがあるなら悩んで日本に留まっていることはないと思います。行動です!
タイ転職で気になるポイントを直撃!
しばらく続く「二重課税」
日系企業の駐在員なので、給与振り込みは日本円。それを外貨レートの良い時を見計らってバーツに両替して使います。私の場合、海外勤務が1年に満たないため日本の所得税法で「居住者」として扱われます。居住者は給与所得に対する税金が本国と赴任国の二重でかかるので、明細を見るとすごく取られている感がすごくあります。
コミュニティ入会はきっかけがあれば
好きな日本のバンドのライブがバンコクであって、そこで知り合ったと連絡先を交換して飲み友だちになりました。日本人コミュニティは出身県や生まれ年など色々あるみたいですけど、週末遊べる仲間がだんだん増えてきているので、今のところは所属しなくてもいいかなと。
健康を考えたらやっぱり自炊!
最近自炊を始めました。夜はコンビニで買って食べていたんですけど、身体が資本ですし健康を考えて。日系スーパーで食材を買って親子丼やしょうが焼きなどを作っています。肉、野菜は本当に安くて二度見するほど(笑)。昼は会社のテナントビルのフードコートの屋台を利用していて一食50とか60バーツ(日本円で200円くらい)で済むんですよ。
空気清浄機がありがたい……
お世辞にも空気はきれいとは言えません。渡航してからしばらくのどの調子が悪くて、目も充血してショボショボした状態でした。
大気汚染の原因には、工場などからの煙やバイクの排気ガスなどが挙げられるほか、タイでは野焼きの習慣が残っていてその影響もあるようです。
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